1.英語と学問の勉強が同時にできない
研究を行うためには、多くの能力が必要となる。
中でも先行研究などを理解するための学術知識があること・外国語が理解できることの二つは、できて当然のように求められる能力である。
しかし上記の二つは、習得するには時間がかかることに加え、これらを同時に勉強することは少々困難である。
筆者は頭が弱く「マルチタスク。ダメ。絶対」勢なので同時に一つ以上の作業ができない。そしてこの問題に直面した場合、全てが中途半端になる。
そんな問題に対して本記事では、Wikipediaを使った英語と学問の学習法を紹介したいと思う。「読者は双方とも余裕なり」と述べる非凡な輩はソッとブラウザを閉じて頂きたい。
1.1. Wikipedia学習
Wikipedia(以下、ウィキ)と聞いた途端に、信憑性に欠けるではないかと揶揄する学徒がいるかもしれない。
否である。
ウィキは確かに信憑性に欠ける部分があるが、全て信憑性がないものとして一括りにすると、帰ってそこに盲目性が生じてしまう。
とりあえず筆者がしゅきな社会学者ピエール・ブルデュー(Pierre Bourdieu)(以下、ブルデュー)のウィキを見て頂きたい。
それなりの文量があり、文献も多く引用されていることがわかる。
もしも、ブルデューの代表著書の一つである"Distinction"について調べようとするなら、まずウィキで勉強したい用語の概要を掴みつつ、芋づるで関連文献を探すという作業を英語で行うことができる。
これはウィキを英語で見ることに意味があると思える。では、次にブルデューのウィキを日本語で見てたい。
英語版と日本語版を比較すると、情報量の差が一目瞭然である。この勉強法はむしろ日本語でないからこそ機能すると言えよう。
1.2. Wikipedia学習の注意点
しかし、ウィキを使って勉強する際、いくつかの注意点があるのでそちらも以下に記述しておく。
信憑性の是非は自身で判断
いくら英語と学問の勉強が同時にできると言っても、やはりウィキの限界というものはある。
学問用語・概念の中には明らかに出典が少ない、あるいは学習に適していない記事がある。勉強したい用語の記事が充分な情報を有しているかは自身で判断する必要がある。
しかし、むしろ自身で信憑性の是非を判断することは、研究をする者にとって必要不可欠な要素であるし、むしろ信憑性の高いウィキを発見する行為は、同様に信憑性の高い論文を見つけることと互換性があるのではないかと思われる。
先端の専門用語は掲載されていない
そもそも、最前線の研究は解明されていないから勉強するということ自体少々おかしな話かもしれない。
細かな詳細はやはり文献で調べ、ウィキを使った学習では用語や概念の概要理解程度に留めるのが無難であると考えられる。
分野や用語に限り英語が不適切
分野によって異なるものの、民族学や歴史学の研究なら英語よりも現地の言語で学習した方が良い場合がある。
これに関しては詳細はわからないので自身で確認してほしい。
2.まとめ
以上が英語と学問を同時に学習する方法である。
しかし、最適な学習方法は個人毎によって異なるため、この学習方法が万人に受け入れられるものとは限らない(筆者の修士課程時代の担当教員には好評を頂いた)。
ゆえに、今回は筆者が大学院生時代に活用していたこのWikipedia学習を元に自分なりに改善して自身に適した学習方法を構築して頂けると非常に幸いである。
ではまた。